シラバス詳細

タイトル「2024年度」、カテゴリ「経済学部」

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科目情報

科目名

心理学B

クラス

05

担当教員

山森 光陽

実務経験のある教員による授業科目
学年

1年

開講学期

後期

開講時期

後期

曜日・時限

月2

科目種別

ナンバリング

EGS003131

科目区分

社会科学教養

単位区分

単位数

2

準備事項

備考

講義情報

学習目標(到達目標)

本講義では,以下の能力を身につけることを目指します。
1. 心理学とはどのような学問かを説明できる。
2. 個人差要因,対人関係に関する諸理論を,社会における課題解決の際に教養として働かせ,論理的・批判的に事象を考察できる程度に,自身の言葉で説明できる。
3. 心理学の研究法の実例や考え方を,社会における課題解決の際の意思決定を合理的に行えるよう,心理学やこれ以外の学問領域での研究知見の確からしさの判断に活用できる。
対応DP及びCP: 1, 2, 8

授業概要(教育目的)

心理学とは,認識や行動の背景にある特性や状態,仕組みを科学的に解明するとともに,研究知見を応用し,個人や社会の課題解決を目指す科学です。心は直接観察することができないため,推定しながら研究を進めていかなければなりませんが,そのぶん,より「確からしく」心を把握し,特性,状態,仕組みを記述するための方法を開発してきたことも,心理学の特徴の一つです。
この授業では,個人差要因,対人関係を中心に,心の仕組みと働きに関する諸理論を概説します。また,これらの理論を構築するために用いられてきた研究手法を体験できるようにします。
大学で学んだ者に相応しい教養としての心理学を身につけ,心理学的な見方や考え方を通して個人の認知と発達を捉えられるようになるとともに,「確からしい」研究知見を導く方法を理解することも通じて,論理的・批判的に人の行動や社会の事象を考察できるようになることが,この授業の目的です。

授業計画表(15週)

項目

内容

第1回

心理学とは何か:個人差,社会を中心に

心を科学的に研究する学問としての心理学の扱う領域と方法の枠組みを,個人差,対人関係を中心に概説し,今後の授業の内容や進め方について説明する。
【事前学習】2時間
図書館のパーソナリティ心理学(NDCが141.9のもの),社会心理学(NDCが361.4のもの)の概説書に目を通し,それぞれがどのような学問なのか,自分なりのイメージを持つ。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第2回

個人差と対人関係の心理学の歴史

科学としての心理学の成立と,個人差,対人関係領域の研究史を概説する。
【事前学習】2時間
学問領域の歴史(学史)を学ぶことの意義を考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第3回

覚醒水準と処遇の交互作用

覚醒水準の高低と処遇の違いの組み合わせで課題遂行が異なる場合が見られることを研究例をもとに概説する。
【事前学習】2時間
テストを受けるときに不安が低いと,高いと,高すぎるとどうなるかを考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第4回

パーソナリティ

環境への適応の仕方に関する個人の特徴のモデルとそれらの形成について概説する。
【事前学習】2時間
血液型で人の性格を記述することの問題点を考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第5回

パーソナリティの測定

パーソナリティの測定と分析を,質問紙法の体験と演示分析を通じて学ぶ。
【事前学習】2時間
事前に指示したパーソナリティ尺度に回答する。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第6回

自己

人が自分のことを理解する枠組みや過程と,これらに関する知識が行動に与える影響を概説する。
【事前学習】2時間
「自分のこと」を自身がどのように理解してきたのかを考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第7回

社会的認知

人が周囲で起きる出来事や自身及び他者の行動を捉えたり,原因を推論する際の特徴を概説する。
【事前学習】2時間
他人の取った行動の理由を知りたくなって原因を探ろうとするのは,どのような場面で多いか考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第8回

経済格差と責任帰属

自身が所属すると思う社会階層レベルに対する認知が社会的事象の解釈に与える影響について検討する。
【事前学習】2時間
配付する論文に目を通しておく。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第9回

社会的促進と社会的手抜き

他者の存在が問題解決の遂行を促進する場合と抑制する場合があることを概説する。
【事前学習】2時間
綱引きや神輿で「やっているふり」をする人がいるのはなぜか考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第10回

同調と服従

集団や権威の圧力で個人的には誤りだと思う行動をとってしまうのはなぜかを,先行研究を通じて検討する。
【事前学習】2時間
配付資料に目を通しておく。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第11回

精神現象に随伴する身体現象の変化

ストレス事態に直面することで随伴する様々な生理的反応の変化とその機序を概説する。
【事前学習】2時間
ストレスを感じたとき,ストレスがたまったときの体の変化を考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第12回

ストレスと生理的反応

ストレスやメンタルワークロードによってどのような生理的反応が現れるのかを,実際の測定器具を用いて体験する。
【事前学習】2時間
いわゆる「冷や汗をかく」というのはどういう状況で起こるのかを考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第13回

ストレスへの対処

【事前学習】2時間
ストレス解消にはどのような方略があるか考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第14回

心理学の研究知見の確からしさ

一般的に行われる心理学研究の持つ限界と確からしさを高める方略を検討する。
【事前学習】2時間
信用できると思う研究成果の特徴を考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第15回

個人差と対人関係に関する諸理論の相互関係

第2回から14回までの講義内容を概観できるようにまとめ,これらが社会における課題解決にどのように役立つかを検討する。
【事前学習】2時間
第2回から14回までの講義内容の相互関係を自分なりにまとめ,図示する。
【事後学習】2時間
教室での議論を踏まえて,第2回から14回までの講義内容の相互関係をまとめなおし,概念として理解できるようにする。

授業形式

講義以外に,小グループで文献を分担して読んだり,議論したりすることを取り入れ,内容の理解が促進されるようにします。心理検査などの体験や演示も取り入れ,教室で行う授業ならではの成果が得られるようにします。Webclassなどを使って資料配付や教員への質問の受け付け,教室全体での議論を行いますので,パソコンかタブレットを毎回持参してください。

評価方法

授業内試験

レポート

小テスト

授業への参画度

その他

合計

60

40

100

評価の特記事項

具体的な評価方法は授業で説明します。

テキスト

特になし

参考文献

無藤隆・森敏昭・遠藤由美・玉瀬耕治,『心理学』,有斐閣,2018年.
大芦治,『心理学史』,ナカニシヤ出版,2016年.
大芦治,『心理学をつくった実験30』,筑摩書房,2023年.
山上精次・藤岡新治・下斗米淳,『図説現代心理学入門』,培風館,2016年.

オフィスアワー

授業時に指示する。

学生へのメッセージ(事前・事後学習の内容など)

自分の専門ではない学問に関心を寄せ,なぜこの学問に興味を持って研究し続けている人がいるのかを考え,その内容を理解しようと努め,自分事として楽しもうとする姿勢で学修に臨んでほしいと思います。教室では学生が安心して穏やかに学べるように,お互いを思いやりながら授業に出席してください。なお,この授業を受けても「他人の心を読む」「他人の性格を当てる」「他人に臨床心理学的な援助を行う」といったことはできるようにはなりません。

授業用URL

参考URL1

参考URL2