シラバス詳細

タイトル「2025年度」、カテゴリ「経済学部」

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科目情報

科目名

心理学A

クラス

01

担当教員

山森 光陽

実務経験のある教員による授業科目
学年

1年

開講学期

前期

開講時期

前期

曜日・時限

月2

科目種別

ナンバリング

EGS003130

科目区分

社会科学教養

単位区分

単位数

2

準備事項

備考

講義情報

学習目標(到達目標)

本講義では,以下の能力を身につけることを目指します。
1. 心理学とはどのような学問かを説明できる。
2. 個人の認知と発達に関する諸理論を,社会における課題解決の際に教養として働かせ,論理的・批判的に事象を考察できる程度に,自身の言葉で説明できる。
3. 心理学の研究法の実例や考え方を,社会における課題解決の際の意思決定を合理的に行えるよう,心理学やこれ以外の学問領域での研究知見の確からしさの判断に活用できる。
対応DP及びCP: 1, 2, 8

授業概要(教育目的)

心理学とは,認識や行動の背景にある特性や状態,仕組みを科学的に解明するとともに,研究知見を応用し,個人や社会の課題解決を目指す科学です。心は直接観察することができないため,推定しながら研究を進めていかなければなりませんが,そのぶん,より「確からしく」心を把握し,特性,状態,仕組みを記述するための方法を開発してきたことも,心理学の特徴の一つです。
この授業では,個人の認知と発達を中心に,心の仕組みと働きに関する諸理論を概説します。また,これらの理論を構築するために用いられてきた研究手法を体験できるようにします。
大学で学んだ者に相応しい教養としての心理学を身につけ,心理学的な見方や考え方を通して個人の認知と発達を捉えられるようになるとともに,「確からしい」研究知見を導く方法を理解することも通じて,論理的・批判的に人の行動や社会の事象を考察できるようになることが,この授業の目的です。

授業計画表(15週)

項目

内容

第1回

心理学とは何か:認知と発達を中心に(オンデマンド)

心を科学的に研究する学問としての心理学の扱う領域と方法の枠組みを,認知,発達を中心に概説し,今後の授業の内容や進め方について説明する。
この回はオンデマンド講義です。講義動画はGoogle Classroomにあります。クラスコードは ufhwah2 です。
【事前学習】2時間
図書館の心理学概説書(NDCが140のもの)に目を通し,心理学とはどのような学問なのか,自分なりのイメージを持つ。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第2回

実証科学としての心理学の歴史(オンデマンド)

現在の心理学は,実験心理学から起こった領域と,臨床の領域の,大別すると2領域からなる。これら2領域の成立前後から,領域間で影響し合い,現在の心理学の姿に至った過程の概略を示し,心理学の大系を把握できるようにする。
この回はオンデマンド講義です。講義動画はGoogle Classroomにあります。クラスコードは ufhwah2 です。
【事前学習】2時間
学問領域の歴史(学史)を学ぶことの意義を考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第3回

感覚と知覚

人は見たもの,聞こえたことを,そのまま捉えるのではなく,何らかの枠組みに照らし合わせて処理して認識する。この仕組みを大きさ・奥行きの知覚,選択的注意の実例を取り上げながら検討する。
【事前学習】2時間
感覚と知覚の違いを調べまとめる。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第4回

日常生活の錯視

錯覚のなかでも視覚の錯覚である錯視について,服装や化粧などの外見を演出する技術との関連について説明した論文を検討する。
【事前学習】2時間
配付する論文に目を通しておく。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第5回

記憶

人が生きていくには,過去の経験を保持し,後にそれを再生する機能が不可欠である。計算機の中身ように実物を見ることはできないが,人はどのような処理を行って,過去の経験を保持し,後にそれを再生することができるのかを解説する。
【事前学習】2時間
配付資料に目を通しておく。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第6回

行動主義心理学からみた学習

心理学特有の考え方である,行動主義心理学からみた学習について解説する。
【事前学習】2時間
第2回の内容(心理学史)を復習する。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第7回

認知心理学からみた学習

学習と呼ばれる行為の中でも刺激と反応の連合という条件づけの原理では説明できない部分について文章理解などを例に挙げながら解説する。
【事前学習】2時間
分かりやすい文章の特徴を考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第8回

問題解決と思考

私たちは日々問題解決を行いながら生活を営んでいるが,問題解決を行う際に私たちはどのような処理をしているのかを検討する。
【事前学習】2時間
対話型AI(ChatGPTなど)で遊び,AIと人間の共通点と違いを考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第9回

動機づけ

動機づけとは行動を生起し維持する一連の過程のことを指すが,この過程に影響する目標の持ち方と,行動の生起,維持,質との関係を検討する。
【事前学習】2時間
「モチベーション」という用語の用例を集める。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第10回

動機づけの測定と研究

動機づけの測定と分析を,質問紙法の体験と演示分析を通じて学ぶ。
【事前学習】2時間
事前に指示した動機づけ尺度に回答する。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第11回

認知発達(オンデマンド)

人は発達にともなって,より抽象的な,より条件が複雑な,そして時間的,空間的に手のとどかない対象の問題解決ができるようになる。この一般的傾向を解説する。
この回はオンデマンド講義です。講義動画はWebClassにあります。
【事前学習】2時間
教育経済学でいうところの「認知能力」という用語の意味の違いを調べる。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第12回

心理検査

通俗的な心理検査の問題点を実験研究で得られた知見にもとづきながら検討する。
【事前学習】2時間
巷でいう「心理テスト」を一つ体験して,その仕組みを考える。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第13回

交互作用

人の認識や行動は複数の要因の組み合わせの影響を受けることを示した研究知見を取り上げ,複数の要因の組み合わせによって生じる相乗効果や拮抗効果である統計的交互作用というパラダイムの重要性を論じる。
【事前学習】2時間
統計学でいう主効果と交互作用とは何かを説明する。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第14回

心理学研究の方法

より「確からしく」心を把握し,特性,状態,仕組みを記述するための方法と考え方を解説する。
【事前学習】2時間
経済学研究で用いられる統計的分析手法を端的にまとめる。
【事後学習】2時間
授業で解説された内容について,分かったこと,分からなかったことをまとめる。

第15回

個人の認知と発達に関する諸理論の相互関係

第2回から14回までの講義内容を概観できるようにまとめ,これらが社会における課題解決にどのように役立つかを検討する。
【事前学習】2時間
第2回から14回までの講義内容の相互関係を自分なりにまとめ,図示する。
【事後学習】2時間
教室での議論を踏まえて,第2回から14回までの講義内容の相互関係をまとめなおし,概念として理解できるようにする。

授業形式

講義以外に,小グループで文献を分担して読んだり,議論したりすることを取り入れ,内容の理解が促進されるようにします。心理検査などの体験や演示も取り入れ,教室で行う授業ならではの成果が得られるようにします。Webclassなどを使って資料配付や教員への質問の受け付け,教室全体での議論を行いますので,パソコンかタブレットを毎回持参してください。

評価方法

授業内試験

レポート

小テスト

授業への参画度

その他

合計

0

0

60

0

40

100

評価の特記事項

具体的な評価方法は授業で説明します。

テキスト

教科書は指定しません。

参考文献

無藤隆・森敏昭・遠藤由美・玉瀬耕治,『心理学』,有斐閣,2018年.
大芦治,『心理学史』,ナカニシヤ出版,2016年.
大芦治,『心理学をつくった実験30』,筑摩書房,2023年.
山上精次・藤岡新治・下斗米淳,『図説現代心理学入門』,培風館,2016年.

オフィスアワー

授業時に指示します。

学生へのメッセージ(事前・事後学習の内容など)

自分の専門ではない学問に関心を寄せ,なぜこの学問に興味を持って研究し続けている人がいるのかを考え,その内容を理解しようと努め,自分事として楽しもうとする姿勢で学修に臨んでほしいと思います。教室では学生が安心して穏やかに学べるように,お互いを思いやりながら授業に出席してください。
なお,この授業を受けても「他人の心を読む」「他人の性格を当てる」「他人に臨床心理学的な援助を行う」といったことはできるようにはなりません。

授業用URL

参考URL1

参考URL2

第1・2回授業 Zoom URL